■PROFILE■
■OTHER■

脳の障害に対して
■脳の機能回復について
 昔は、脳卒中などによって脳が損傷を受けてしまうとその機能は回復しないといわれてきました。
 しかし現在ではその機能は回復することがわかってきています。

理学療法の可能性:脳


 ここでは脳の機能障害からの回復のメカニズムを紹介します。

■脳の可塑性
 脳は、数百億という数の神経細胞の集合体で神経細胞が手をとりあって回路を形成しています。 
 脳は各領域に役割を持っています。例えば手足の動きを司る領域、言葉を司る領域などがあります。
 そしてよく使われる領域は拡大します(ピアニストの指に関連した領域は大きい、目が不自由な方は手の感覚の領域が大きいなど)。ある場所に不具合を生じると他の領域でその役割を補うようにもなります。麻痺のある方の脳では、手足の動きに合わせて本来の領域ではないところでの興奮がみられています。
 また脳では同じ回路を何度も使うとその回路を強化し、信号が伝わり易くなります。また回路同士が新しい結合を作り、新しいネットワークも作ります。
 このように脳には情報の伝達効率を向上させ、学習能力を高めたり、障害された脳の部位を他の部位が代償する力を持っています。つまり脳は使用状態に合う様に変化していきます。これを「脳の可塑性」と言います。

※可塑性という言葉は塑性(plasticity) に由来します。文字通り、プラスチック製品のような性質をあらわす言葉で 力を加えると変形し、力を取り去った後も熱を加えて変形可能 なプラスチック製品のような性質を指します。

■脳の抑制現象の開放
 脳に障害が起こると、その障害部位の周辺にはむくみが生じます。また血流が低下します。この周辺部位は障害されてはいるが、手術や投薬によって一定の時間内にその環境が改善されればその機能を取り戻すことが出来ます。

■脳障害に対する理学療法
 脳の障害に対する理学療法は、上述のように脳の可塑性を発揮できるようなアプローチを行います。
 脳卒中であれば、半身に麻痺症状が出現します。麻痺側の動作への参加が乏しくなります。また麻痺していない側もかばうように過剰に緊張した状態となります。
 理学療法では、麻痺のある側、ない側が共に有効に使えるように、両側を用いた運動・感覚の経験を援助します。脳の残存能力を最大限発揮できることを期待して歩くこと、立ち上がること、起き上がることそして寝返りなどの基本動作獲得に向けて取り組みます。
 症状や理学療法の目標は脳の障害部位・程度、既往歴、もともとの背格好、体の使い方、生活様式などが合わさり、人それぞれとなります。
 それらを踏まえ、より良い生活様式の獲得に向けて、他職種との共同作業の上でアプローチしていきます。

○参考文献
1) 森 茂美 :健やかに立つ・歩くメカニズム.理学療法学 第33巻第4号 
137-146 2006
2) 道免 和久:脳卒中リハビリテーションにおける運動療法の新たなる挑戦.理
学療法学 第33巻第4号 147-154 2006
3) 奈良 勲編:くり返し、くり返し−脳障害後の理学療法−. 理学療法のとら
えかた Crinical Reasoning
 177-191 2001
4) 宮本 省三:片麻痺の機能回復.認知運動療法講義 47-66 2004

| http://www.iwate-pt.com/index.php?e=54 |
| 理学療法豆知識::理学療法の可能性 | 04:58 PM | comments (x) | trackback (x) |
PAGE TOP ↑